日本自治体労働組合総連合(自治労連)は2010年3月18日、生活保護の実施体制にかかるアンケート調査の集計結果を発表しました。全国1314福祉事務所に送付し、757事務所から回答を得たものです。
調査結果によれば、生活保護の新規申請件数が2007年度の10万3150件から、09年度推計で18万6538件に達し、2年間で1・8倍と急増することが見込まれます。一方、生活保護を担当するケースワーカーの数は、07年4月の7122人から09年4月の7587人と微増にとどまっています。
このもとで、ケースワーカー1人が担当する世帯数が大阪府、愛知県、東京都など都市部で平均100世帯を超え、12府県で平均90世帯を超えています。担当世帯数が多い実施機関では岐阜県羽島市175世帯、大阪府東大阪市164・9世帯、熊本県上天草市155世帯となっています。大阪府 門真市は156.9世帯となっています。
社会福祉法16条では、ケースワーカー1人当たり80世帯(標準数、市区町村設置福祉事務所)と定められており、標準数を上回る実態が浮き彫りになりました。ケースワーカーの経験年数では3年未満が66%、5年以上は11%でした。
アンケートの自由記載欄には、「休暇も取れない」「精神的にも肉体的にも限界を超えている」と、過酷な労働条件とあわせて、「自立の手助けなどの援助・アドバイスが十分できない」「必要な人員を確保し、保護を必要とする人に適正な保護行政が行われるようにしなければならない」などの訴えや生活保護基準のあり方をはじめ、運用の問題点や現場の大変な実態、さらには生活保護制度にかかわる費用負担について「全額を国庫負担で」など様々な意見が書かれています。
猿橋均自治労連書記長は、記者会見で「圧倒的な人不足、体制不足が明らかになった。国民の生きる権利を守ることと、働きやすい職場をつくることを一つの課題として、運動を強めたい」と語りました。
門真市職労は、今回の調査で明らかになった「ケースワーカー1人が担当する世帯数 門真市156.9世帯」という異常な実態を改善させていくために、市民生活を守る上で最後のセフティネットである生活保護行政を適正におこない、ケースワーカー組合員・職員の過酷な労働条件を改善するケースワーカーの人員増を、市当局に対して要求しています。
※調査結果は自治労連HP[ダウンロード]-[全国生活保護職場実態調査]に掲載しています。
自治労連 福祉事務所生活保護実施体制調査結果(速報値)を公表
生活保護の実施体制確立と運用改善を全国で!(
自治労連HP)
・